
Rachmaninoff Piano Concertos Complete (Arranged for two pianos) (2 CDs)
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(1901年)、第3番(1909 年)はともに現在でもこの分野における最も人気のあるレパートリーだ。ラフマニノフのあまりにも美しく悲哀感あふれる息の長い旋律は多くの人を魅了し、技巧的に も高度で精緻なピアニズムとも相まって時代的な束縛を受けない名作として愛されている。特に第3番はオーケストレーションも素晴らしく、ピアニスト・コンポーザーの余芸を遥かに凌ぐ、正に作曲家による「ピアノ交響曲」と呼べる作品である。ピアノとオーケストラの一体感という点で、ピアノ協奏曲第4番(1927) は、最も完成していると言えるだろうが演奏される機会は少ない。初演は作曲家本人によるピアノとストコフスキー指揮フィラデルフィア・オーケストラであったが、聴衆は非常に落胆したようだ。1934年に「パガニーニの主題にによる狂詩曲」で大成功を収めても、ラフマニノフの創造性は憂鬱のもやから解放されなかっただろう。この主題を有名にしたのはリストやブラームスであり、ラフマニノフが新しい音楽を生み出していないという問題は引き続き残るからだ。
これらの協奏曲には、ラフマニノフ本人による「2台ピアノ用編曲」がある。この楽譜は BOOSEY&HAWKES 等から出版されており、ピアニストの練習 用または、愛好家が楽譜を見ながら音楽を聴くといった用途が一般的なのだろう。第二ピアノに関してはオーケストラを再現するというよりも「オーケストラのスケッチ用」として書かれたようで、2台ピアノのために作曲された「組曲第1番、第2番」などとは明らかにレベルが違う。しかしこの楽譜が提供する「音」を実際に聴いた人が、果たしてどれほどいるだろうか。それは、オーケストラの大迫力を取り除いた「芯」の部分が浮き彫りにされ、ラフマニノフが音楽をどのように組み立てたかがよく分かるというものだ。
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